ボートレースの基礎知識

【ボートレース基礎知識】フライングについて徹底解説!罰則・リセット・返還など詳しく説明します

フライング ボートレースのトリセツ

ボートレースを予想する上で、非常に重要な要素となるのがフライングです。ボートレースにはフライングスタート方式が採用されており、スタート時刻より0.01秒でも早くスタートしてしまうと即失格となり重い罰則が科されます。

しかしスタートが早ければ早いほど有利なので、選手はフライングギリギリを狙ってスタートしていきます。その駆け引きこそがボートレースの楽しみ方の1つと言っても過言ではないでしょう。ボートレースをより楽しむためにも、フライングについて学んでいきましょう。

ボートレースはフライングスタート方式

ボートレースのフライングスタート方式図解

ボートレースではフライングスタート方式というスタートが採用されています。ボートレースで利用するボートはブレーキがついていないため、水面で止まることができません。そのためスタート地点後方からダッシュをして、指定の時刻にスタートラインを通過するフライングスタート方式が採用されています。

レーサーは所定のスタート位置からいいスタートが切れるよう、スタートラインに向けてダッシュします。いつスタートすればいいスタートが切れるのかは時計とボートの調子を見ながら、練習で調整をしていきます。

ボートレースは後ろから追い抜くことが非常に難しい競技です。つまりいいスタートが切れると勝利に直結します。そのためレーサーは入念にスタート練習をおこない、ベストなスタートが切れるよう日々練習をしています。

どんなときフライングとなる?

ボートレースのフライング図解

ボートレースでは大時計が0になるタイミングが、スタート時刻と定められています。スタート時刻より0.01秒でも早いとフライング失格。その時点で欠場になってしまいます。上記図の場合、黄色の5号艇がフライング失格です。スタートタイミングは機械で正確に判定されます。

フライング判定は即座におこなわれ、選手にもすぐフライングになったことが通知されます。フライングが通知された選手は即座にレースから離脱しなければなりません。

またフライングをしなくても、スタート時刻より1秒以上遅くスタートラインを通過した場合は出遅れで失格になります。出遅れをした場合もフライングと同等の罰則が科せられます。

出走表のFとLの表記に注目

フライングをした選手には罰則が設けられますが、その情報は出走表で確認できます。出走表にはF数・L数の項目があり、F数が今期のフライング回数、L数が今期の出遅れ回数です。上記図の場合3号艇小林選手が、今期1度フライングをしているということですね。

フライング回数は期ごとに累積され、5月1日と11月1日になるとリセットされます(そのためリセットの前後はフライングを恐れず攻めたレースをする選手が増えます)。後ほど詳しく解説しますが、フライングは回数を重ねるごとに罰則が重くなります。そのためフライングをしているかどうかは、舟券予想にも重要な要素となります。

フライングをした選手の舟券は全額返還される

フライングをした選手の舟券を購入していた場合、その舟券は全額返還となります。例えば「1-2-3」「1-2-4」「1-2-5」という3連単を購入していて4号艇がフライングをした場合、「1-2-4」は返還され「1-2-3」「1-2-5」は通常の舟券と同じ扱いになります。

返還扱いになった舟券は窓口購入の場合、自動販売機や窓口での払い戻しができます。インターネットで購入した場合、自動的に返金が登録口座におこなわれます。

フライングで全額返還になるということは、ボートレース場の売上が減るということでもあります。ボートレース場は舟券の売上をもとに経営していますので、フライングに関して選手に重い罰則を設けているというわけです。

フライングをした選手への罰則・ペナルティなど

フライングをすると即失格になる他、選手にはさまざまな罰則が科されます。フライングはレースを大きく壊してしまう可能性があるので、選手に罰則を科すことでフライングを防止しています。

フライングをすると以下の5つの罰則が科されます。

  • フライング休み
  • 賞典除外
  • 事故点20点
  • 即日帰郷
  • SG・G1・G2競走の選出除外

一度でもフライングをするとフライング休み・賞典除外・事故点20点という罰則が科されます。またフライングを重ねる・非常識なフライング(0.05秒以上のフライング)をすると即日帰郷、SG・G1・G2競走の優勝戦・準優勝戦でフライングするとSG・G1・G2競走の選出除外という罰則もあります。それぞれ具体的にどんな罰則なのか見ていきましょう。

フライング休み

フライングをするとフライング休みと言って、一定期間レースに出場できなくなります。フライングの回数を重ねるほど休みの期間は長くなり、1回目のフライングは30日間、2回目のフライングは90日間、3回目のフライングは180日間、4回目のフライングは360日間の休みをとならければなりません。

3回フライングをすると約半年間休むことになるので、賞金が稼げなくなり級別もB2まで下がってしまいます。そのためフライングが2本になった選手は、スタートがかなり慎重になります。ボートレーサーは賞金で生活をしていますので、フライング2本の選手は舟券に絡む可能性がグッと下がることを覚えておきましょう。

ちなみにフライング休みの過ごし方は、選手に任されています。ボートレースは年中おこなわれていますので、フライング休みの期間に旅行をしたり家族と過ごす時間をとったりと、のんびり過ごす選手もいるようですね。

賞典除外

賞典除外とはその節の優勝戦・準優勝戦・選抜戦といった賞金の高いレース(賞典レース)に出場できなくなることです。例えばその節で1レースだけフライングをして、残りすべて1着だったとしても準優勝戦には出場できません。逆に考えると準優勝進出を決めている選手はフライングをすると準優勝戦に出場できなくなるので、スタートが慎重になることもあります。

賞典除外になった選手は準優勝戦に出場できなくなるので、その節では無理せずレースをすることが多いです。そのためその節でフライングをした選手が出場する場合、想定よりも順位が低くなることがあることも頭に入れておきましょう。

事故点20点

フライング・出遅れ・妨害失格・欠場などをした選手には、事故点が科されます。事故点÷出走回数で事故率が計算され、期間の終わりに事故率が0.7以上になるとその選手は問答無用でB2へ降級になります。どんな優秀な成績を残していてもこれは例外ではありません。

そのため事故率が高い選手はこれ以上事故点を増やさないため、スタートが慎重になる傾向があります。

即日帰郷

同じ節に2回以上フライングをするもしくは非常識なフライング(0.05秒以上のフライング)をすると、即日帰郷という罰則が科されます。即日帰郷の対象になるとその日のレース終了後、節の途中でも家に帰らなければなりません。

当然その節のレースには参加できなくなるので、賞金も減ります。とても重い罰則なので一度フライングをした選手は、その後慎重にならざるを得ないですね。

SG・G1・G2競走の選出除外

さまざまなレースの中でも注目度や売上が高いSG・G1・G2の優勝戦・準優勝戦でフライングをした場合、選出除外という特別な罰則が設けられています。対象のレースと期間は以下のようになっています。

フライングしたレース SG競争に出場できない期間 G1・G2競争に出場できない期間
SG競走の優勝戦 1年間 6カ月間
SG競走の準優勝戦 6カ月間 3カ月間
G1・G2競走の優勝戦 なし 6カ月間
G1・G2競走の準優勝戦 なし 3カ月間

選出除外の適用となると、出場予定であったレースの出場も取り消されてしまいます。SG・G1・G2は賞金も多いので、選出除外になるのは選手にとってもかなり痛いですね。

フライングをしている選手が出走しているときの予想のコツ

ここまでフライングの罰則について解説してきました。フライングは選手心理に大きな影響を与えるので、舟券の予想にも当然関わってきます。続いてはフライングをしている選手が出走したとき、どのように予想すればいいのかを解説していきます。フライング持ちの選手が出走することは頻繁にありますので、ぜひ情報をチェックしておきましょう。

フライング1本・選手の傾向をチェックしよう

フライングは3本目以降かなり罰則が重くなります。つまり2本目まではまだ攻められる状況にあるとも言えますね。ただしフライングが2本になると90日間休まなければなりません。約3カ月の間収入がなくなると考えると、フライングに慎重になるのが人間心理ではないでしょうか。

結論からお伝えすると、フライング1本の場合対応は選手によって異なります。「フライング2本までなら大丈夫だからいつも通り攻めよう」と考える選手もいれば、「2本目のフライングはしたくないから慎重になろう」と考える選手もいます。そのためフライング1本の選手は、選手の傾向をチェックすることが大切です。

過去のデータを検索してフライング後にSTが落ちている選手は、フライング後慎重になる傾向があります。逆にフライング1本あってもSTが変わらない選手もいるので、このあたりは選手の性格と言えるでしょう。フライング1本の選手がいたら、まず過去のデータをチェックして選手の傾向をつかみましょう。

フライング2本・節内にフライングした選手の予想は慎重に

フライング2本持ちもしくは節内にフライングをした選手は、予想は慎重におこないましょう。フライング3本になると約半年の欠場となり級別もB2に降級、節内にフライングすると即日帰郷とかなり罰則が重くなります。そのためフライング2本持ちもしくは節内にフライングをした選手は、スタートに慎重にならざるを得ません。

そうした選手が勝ちにくいアウトコースにいるのであれば、予想からは外した方がいいでしょう。インコースにいる場合は他の選手情報やレース場の特徴なども踏まえて、予想をするといいと思います。

勝負がけの選手はフライング情報を考えない

フライング持ちの選手はスタートに慎重になることが多いですが、こと勝負がけになると話が違ってきます。勝負がけとはここ1番で勝負しなければならないレースのことを言います。

  • 準優勝戦出場がかかったレース
  • 昇級がかかったレース
  • 賞金の多いレース

このようなレースではフライングの罰則よりも攻めたときのメリットが大きくなるので、フライング持ちの選手でも攻めたスタートをすることがあります。勝負がけになっている選手に限り、フライング情報は考えず普通に予想をしたほうがいいでしょう。

スタート展示のフライングは気にしない

スタート展示とは本番のレースを想定したコース取りとスタートをすることです。スタート展示では実際にスタートをするので、STを見ることができます。スタート展示でフライングをすると不安に思うかもしれませんが、あまり気にしないほうがいいです。スタート展示はあくまでモーターの調子を見るための練習にすぎません。

ボートレーサーはプロなのでスタート展示でフライングをしても、本番ではタイミングを調整してきます。実際スタート展示ではフライングをする選手は結構いますが、本番でのフライングの数はグッと少なくなります。

フライング情報をチェックしてボートレースを楽しもう

ここまでボートレースのフライングについて解説をしてきました。フライングはボートレース予想の基礎知識ではありますが、これを知らないと予想の的中率がかなり下がってしまいます。そのためフライング情報は事前にチェックするよう、クセづけておきましょう。

フライング情報を理解できるようになると、ボートレースがより一層楽しくなります。みなさんもフライングに関する知識をしっかり身につけて、ボートレースを楽しんでいきましょう。

 

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