ボートレースの基礎知識

ボートレース「シーズン・期・節」の違いって何?それぞれの特徴を詳しく解説!

ボートレースのトリセツ 期・節編

ボートの実況で「来期は昇格が確実です」とか「今節は絶好調ですね」といった言葉をよく聞きますよね。でも「来期とか今節って、そもそも何なの?」と思ってませんか。
本記事ではそんな皆様のために、「シーズン」「期」「節」を徹底解剖します!これらを踏まえた「舟券予想」も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

「シーズン」とは

まず抑えておくべきは「シーズン」です。これは最も簡単ですぐに覚えられてしまうでしょう。結論を言うとシーズンとは、1月から12月のことです。

ボートレースは1月に新たなシーズンがスタートし、その年の年末に行われる「クイーンズクライマックス」をもって閉幕します(カレンダーの1年と同じですね!)。ちなみに、クイーンズクライマックスとは、ざっくり言えば「女性レーサーのトップを決める大会」です。男性のレースではなく、その年の最終レースを女性レーサーが飾るということになります。これだけでも女子レーサーの人気がいかにあるのか、ということがうかがえますね!

シーズンは、各レース場のスケジュールにより則って開催されています。特にSG、PG1、G1等のハイグレードレースは、どのレース場で開催されるか事前に決められています。

「期」で知っておきたいこと

そもそも期とは

1年を前半と後半の2つに分けた期間のことです。つまり、年に2期存在するということですね。具体的なそれぞれの期間や意義については次の項目で紹介します。

期には「審査期間と実施期間」&「前期と後期」がある

開催の年間スケジュールとは別に、レーサーには”期”というものが設けられており、期には「審査期間と実施期間」と「前期と後期」が存在します。
【審査期間】
前期:5月1日から10月31日まで
後期:11月1日から4月30日まで
運営がレーサーの成績を審査する期間です。この期間中の成績で、レーサーはそれぞれの級別(A1・A2・B1・B2)にクラス分けされます。
この「級の昇格・降格・維持」が決まるタイミングがまさに”期”が切り替わるタイミングというわけです。

そして、審査期間を経て実際にクラス分けが実施されるのが実施期間(確定した級別が適用される期間)です。
【実施期間】
前期:1月1日から6月30日まで
後期:7月1日から12月31日まで

単に“期”という場合、通常は「実施期間」を指します。
(審査期間はそのまま「審査期間」と呼ばれます)

新人レーサーのデビューは5月か11月のどちらか

新人レーサーは訓練開始の時期により4月組と10月組の2つに分かれます。4月組の新人は前期の5月からデビュー、10月組の新人は後期の11月からデビューとなります。つまり、審査期間の開始月に新人デビューするという事ですね。

級別決定後、ある程度の収入が決まる

審査期間を経てレーサーの級別は確定し、半年間はその級別で過ごすことになります。そして、B2・B1・A2のレーサーはより上の級に向けて新たな審査期間を挑むのです(A1のレーサーは「○年連続A1級」といった具合に、級の維持を目指します)。

レーサーは、A1、A2、B1、B2のどの級になるかで収入が大きく変わってきます。なぜなら級が上がるほどレースの出走回数が多くなり、逆に級が下がるほど少なくなってしまうからです。A1級ともなるとほぼ絶え間なくレースに出場できるようになるので、賞金が常に入ります。また、賞金額の高いSG、PG1、G1レースへの出場機会が与えられるため、ますます収入が上がります。
一方でB2級レーサーは出場できるレースが少なく、かつ基本的に賞金の低い一般戦しか出場できないため収入が上がりにくいです。

フライングと出遅れがリセットされる

審査期間中にフライングや出遅れをしてしまった場合、回数により30日(1回)、60日(2回)、90日(3回)、180日(4回)の出場停止期間がペナルティとして設けられています。
ちなみに、出場停止期間は回数を重ねる毎に合算されていくので、3回フライングや出遅れをしてしまうと30日+60日+90日で180日となってしまい実施期間中のすべてのレースに出られない事になり、収入が無くなり成績も全て0になってしまいます(そうなった場合、次期は一番下の級であるB2級になってしまう)。そして、万が一4回のフライングをしてしまうと通算で360日の間、レースに出られなくなります。つまり前期、後期とも1回もレースに出られなくなるので、規定により(次期に入る前に)引退勧告がなされてしまいます。このことから、同じ期の3回以上のフライングや出遅れは、選手生命にもかかわるほどの重大な問題と言えます。

「節」で知っておきたいこと

そもそも「節」とは?

節とは、予選から優勝戦までの開催期間を指します。競艇は通常「4日間から6日間」連続して開催され、この期間内に「予選、準優勝戦、優勝戦」が行われます。この連続している開催期間を1節と呼びます。
1節は規定により3日間から7日間までとされていますが、現在では4日から6日の開催が一般的になっており、3日や7日の開催はほとんど行われていません。

”節”期間中のレーサー

「外出・連絡」一切禁止!

レーサーは1節が行われている期間中は競艇場のレーサー宿舎で寝泊まりをし、外出はおろか外部との連絡も一切出来ません。宿舎に入る際に携帯電話やパソコン、タブレット等、外部と連絡可能な機器類は全て競艇場側に預けなければならないのです。これは公営ギャンブルが故の不正行為防止処置です。ちなみに緊急時(家族の危篤等)のみ、係員立ち合いの元、宿舎内の電話を使用する事が許されています。

同じモーターとボートを使用する

レーサーは1節が始まる前日に宿舎に入り、そこでボートとモーターの抽選会が行われ、割り当てられたボートとモーターを1節の期間中ずっと使用します
また、ボートとモーターは全て同じメーカーの同じ製品ですがそれぞれ個体差があり、ひとつとして同じ性能のものはありません。そのため、良いモーターを割り当てられたレーサーはラッキーですが、悪いモーターを割り当てられたレーサーは自分で整備をして少しでもモーターの改善を行わなければなりません(相談だけであれば、専属の整備士にすることはできます)。

斡旋(各レース場が出場レーサーを決定する)

節ごとの出場レーサーは各レース場が選手を指名して決まります。これを「斡旋(あっせん)」といいます。選手自身が出たいレースに申し込みをするわけではないのです。

前述の通り、級別が高ければ高いほど斡旋される頻度が高くなり、その分獲得できる賞金も多くなっていきます。

「節と期」を舟券予想へ役立てる方法!

「節」を予想に役立てる方法

1節の間には予選、準優勝戦、優勝戦が行われると前述しましたが、舟券予想をするうえで最も有利なのは予選最終日です。例えば1節が6日間の場合、4日目が予選最終日となり、5日目に準優勝戦、6日目の最終日に優勝戦が行われます。予選最終日は準決勝に行けるかどうかが決まる日で、ボーダーライン付近のレーサーは、いわゆる”勝負がけ”といって「何がなんでも勝つぞ」という意気込みでレースに臨みます。一方、すでに準優勝戦進出が決まっているレーサーはフライングや出遅れなどの事故だけは起こさないようにしようと慎重な走りになったりする事もあります。
レーサーのメンタルが最も良く出るのが予選最終日であり、予想がしやすいレースと言えるわけです。

「期」を予想に役立てる方法

審査期間が終わりに近づくと級別のボーダーライン上にいるレーサーは「毎日が勝負がけ」という状態になるため、先ほど同様、一番の狙い目となります。次の半年間の収入がかかっているわけなので、ボーダーライン上のレーサーは節の予選最終日の勝負がけよりも、もっと強気に攻めてきます。
本当にいちかばちかの勝負がけをしてくるレーサーもいますので、審査期間終了日が近い節はボーダーライン上のレーサーを中心に予想を立てる事が出来るというわけです。

まとめ:「期」も「節」も、期間を区切る大切な役割がある

このように、レーサーにとって節と期は最も基本的な区切りでもあり、収入に直結するものでもあるということです。
レーサーも人間である以上、積極的に勝負に出る時と、事故を起こさないよう慎重になる時があります。成績や数字をよく見て行くと各選手のメンタル面を読み取ることもできるかもしれませんね。節と期の仕組みを理解し、レーサーの心理状態をじっくり観察する事で、より舟券予想の深みを体験することが出来るでしょう!

RELATED POST