ボートレースの基礎知識

【ボートレースのルール】初心者もこれだけでOK!超基本から予備知識まで7分で解説

ボートレースのトリセツ ルール編

この記事では、ボートレースのルールをわかりやすくまとめています。「ボートレースに興味はあるけれどルールがややこしそう…」「覚えることが多いのは無理…」と悩んだことはないでしょうか。
そのような方もご安心ください。この記事を読めば、初心者でもわずか7分でルールを覚えることができます。基本的な知識を身につけて、ボートレースを楽しみましょう!

超基本編

「そもそも、ボートレースとは何?」と思う初心者向けに、ボートレースの超基本情報を紹介します。ルールを覚える前に、次の3点だけは押さえておきましょう。

  • 「競艇」と「ボートレース」の違い
  • 1レースにつき6艇が出場
  • レース本番前に‘’展示航走‘’がある

「競艇」と「ボートレース」は同じ意味

結論としては、競艇(KYOTEI)とボートレース(BOAT RACE)は同じ意味です。そのため、どちらを使ったとしても間違いではありません。しかし、2010年4月1日に「競艇」という呼称が正式に「ボートレース」と変更されたことから、現在では一般的に「ボートレース」と呼ばれることが多くなりました。

ただ、昔からのファンの方なんかは「競艇」の方が馴染みがあるため、ボートレースではなく競艇と言っている人のほうが多い印象ですね。

1レースにつき6艇が出場

ボートレースは1レースに6艇が出場します。初心者でも1/6の確率で1着(単勝)を的中できるということです。2着までに入る艇を決める複勝であれば1/3の確率で当たります。公営競技に参加したことがない方も、この確率であればチャンスを期待できるのではないのでしょうか。

なお、ボートレースでは「1号艇は白、2号艇は黒、3号艇は赤、4号艇は青、5号艇は黄、6号艇は緑」という様に1~6号艇の色が決められています。それぞれの色を覚えておけばレース中でもどの艇が何号艇か把握できるので、よりレースを楽しむことが出来ますよ。

レース本番前に”展示航走”がある

本番レースの前には、ボートやモーターの状態を見せる‘’展示航走(てんじこうそう)‘’があります。各レーサーが全速力でコースを2周するので、ボートファンはここでモーターの調子を確認します。正直、最初のうちは見てもあまり分からないので、そういうものがあるんだなーという程度でOKです。

なお、展示航走には「スタート展示」と「周回展示」の2種類があります。

スタートを見る「スタート展示」

本番のレースを想定したコース取りとスタートを行います。この時、選手がどのコースに入るかを確認できます(ただし、本番のレースでは違った動きをする可能性もあります)。

旋回や直線を見る「周回展示」

旋回や直線の走りの状態を見ることができます。基本的には2周(悪天候時は1周)します。

ピットアウト~レース終了までの流れ

レースに出場する艇が待機する場所を‘’ピット‘’といいます。ピットを飛び出す‘’ピットアウト‘’からレース終了までの流れについて見ていきましょう。

■レースの大まかな流れ

ピットアウト

待機行動

フライングスタート

(フライング・出遅れ)

道中(600m×3周)

ゴールイン(決まり手が確定)

ファンファーレと共にピットアウト

ファンファーレと共に各艇が一斉にピットアウトします。ピットアウトとは待機所からスタート地点に向かうことを指します。ピットアウト後、それぞれがスタート位置に着きます。

待機行動(コース取り)

ボートレースでは、1艇から6艇が順番に並んでスタートするわけではありません。ピットアウトしてからスタートコースを選ぶ‘’待機行動(コース取り)‘’が行われます。各艇が狙いのスタートコースを目指して駆け引きするので、気になる艇がどのコースを選ぶのか、注目してみましょう。

フライングスタート方式

「フライングスタート方式」とは、決められた時間内にスタートラインを通過することでレースが開始するスタート方式です。

スタートコースを決めると、スタートラインに向かって助走を始めます。そして、大時計が0秒を指す瞬間から1秒を指す瞬間の間にスタートラインを通過しなくてはいけません。

フライング(F)・出遅れ(L)

大時計が0秒を指す前にスタートラインを超える場合は‘’フライング(F)‘’、大時計が1秒を指した後にスタートラインを超えると‘’出遅れ(L)‘’となり、いずれも失格となってしまいます。

失格になった艇の舟券は返還されるので、購入していたファンには損害はありません。ただし、返還されたことによってオッズに変動があるため、他の舟券を所持していて当たった場合はしっかりとオッズを確認しておきましょう!

1周600mのコースを3周し順位を争う

ボートレースは、1周600mのレースコースを3周して入着した順位を競う競技です。コースは2つのターンマークから成り立っていて、スタートして最初のターンマークは‘’第1ターンマーク(1マーク)‘’、2つ目は‘’第2ターンマーク(2マーク)‘’と呼びます。

特に、最も勝敗を分けるとされているのが「最初(一周目)の第1ターンマーク」です。ここをいかにうまくターンするかが勝敗の分かれ目になるため、最初のうちはここに注目しておきましょう。

転覆すると舟券は返還されない

レース中にボートがひっくり返ってしまうことがあります。これを‘’転覆‘’といい、フライングや出遅れとは異なり舟券は返還されません。また、似たようなものでボートからレーサーが投げ出される‘’落水‘’やボートのエンジンが止まる‘’エンスト‘’などがあり、これらも舟券の返還対象ではないので注意しましょう。

勝ち方(決まり手)は全部で6つ

1着となった艇の勝ち方を‘’決まり手‘’といいます。決まり手は、以下の6種類です。

決まり手 内容
逃げ 1コースの艇が最初に第1ターンマークを旋回してそのまま逃げ切ること。イン逃げとも呼ぶ
差し 最初に旋回した艇の内側を突き抜けて1着になること
まくり 2~6コースの艇が1周の第1ターンマークでアウトコースから内側の艇を抜き、そのまま抜かれずに1着になること
まくり差し 3~6コースの艇が1周の第1ターンマークでいくつかの艇をまくり、その後、先行する艇を差して1着になること
抜き 1周の第2ターンマーク以降に先行する艇を抜いて1着になること
恵まれ 先行する艇が事故によりレースを離脱し、結果として1着になること

レース日程とグレード

ここまで記事を読み進めてきた方なら、ボートレースの基本的なルールは理解できたのではないでしょうか。これでいつ舟券を買っても安心です。ここでは、よりボートレースを楽しむために、レースの日程とグレードについて紹介していきます。

期と節

ボートレースの1シーズンは、1月から12月までの1年間です。年末にはその年の獲得賞金の上位18位までのレーサーによってグランプリが実施され、シーズンは幕を閉じます。

シーズンにはレーサーの級を決める期(前期、後期)と、ボートレースが開催される節があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

期とは

レーサーの級を決める審査は、1シーズンの中で前期と後期の2回に分けて実施されます。審査期間の結果を基に選手の級別が決定します。下記の図が、審査期間とそれが適用される適用期間です。

審査期間 適用期間
前期 5月1日~10月31日 翌年 1月1日~6月30日
後期 11月1日~4月30日 同年 7月1日~12月31日

節とは

節とは各レース場でボートレースが開催されている期間のことで、一般的には4~6日、最大で7日間です。この期間で予選から準優勝戦、優勝戦が行われます。

例えば6日間開催の場合、1~4日目に行われるのは約50名のレーサーによる予選です。そのうち得点上位18位までのレーサーは、5日目の準優勝戦に進みます。準優勝戦では、3レースが行われ、1着と2着のレーサーが最終日である6日目の優勝戦へ出場できるのです。

準優勝戦で3着と4着になったレーサーの場合、6日目は「特別選抜A」、5着と6着になったレーサーは「特別選抜B」というレースへ出場します。一方、予選で19位以下となったレーサーは、5日目と6日目は一般競争に出場します。

選手は前日に検査を受ける(前日検査)

レース開催日前日には、ボートレースの場内で‘’前日検査(前検)‘’が実施されます。これはレースを公正に実施することを目的とした検査です。レーサーたちの健康診断やモーターの抽選、試運転、スタート練習などが含まれ、不合格になるとレースに出場することができません。

なお、レーサーたちは、前日検査から節の最終日までボートレース場の近くの宿舎で宿泊する決まりになっています。

レースのグレードは全部で5つ

ボートレースには5つのグレードがあります。グレードによって出場できるレーサーが決められています。もっとも高いグレードであるSG(スペシャルグレードレース)は優勝賞金が1,700万円以上のレースで、中には1億円のものもあります。

最高峰のレーサーによる走りを体感したいときはSG、若手レーサーをチェックしたいときは一般戦といったように、グレードによる違いが分かるとボートレースの楽しみ方も広がるでしょう。

グレード 年間の開催数 優勝賞金 主なレース
SG 8回 1,700万~1億円
  • グランプリ
GI 35回前後 480万円以上
  • プレミアムGI
  • 周年記念
GII 8回前後 450万円以上
  • 秩父宮妃記念杯
  • モーターボート大賞
GIII 50回前後 105万円以上
  • 企業協賛レース
  • オールレディース
  • マスターズリーグ
  • イースタンヤング
  • ウエスタンヤング
一般戦 毎日 74万円以上 一般戦

※2019年4月1日時点

合わせて覚えておきたい予備知識

最後に、おさえておきたい2つの予備知識を紹介します。

モーターとボートは抽選で決まる

モーターとボートは、各レース場で管理されています。選手自身が用意しているわけではありません。

前日検査の際に”抽選”で各レーサーにモーターとボートが振り分けられます。そのため、(レーサーの技術力が結果に影響を与えることはもちろんですが)”良いモーターが引けるか”という運の良さも結果を大きく左右します。

初心者でも選手の強さは”ひと目”で分かる

レーサーの強さは、‘’級別‘’と‘’能力指数‘’でチェックしてみましょう。いずれもボートレースの公式ホームページの「ボートレーサー検索(期別成績)」で閲覧可能です。

まずは級別(A1、A2、B1、B2)を確認

レーサーは期ごとの成績からA1、A2、B1、B2の4つの級に分けられます。割合としてはA1級20%、A2級20%、B1級50%、B2級それ以外といった感じです。

なお、成績は勝率・複勝率・事故率・出場回数から計算され、級が上がれば出走できる日数が増えて出場可能なレースのグレードも上がります。

もっと詳しく知りたい場合は「能力指数」を確認

能力指数とは、レースのグレードを考慮した着順点を出走回数で割って求めたものです。100点満点で表示され、70点以上はトップクラスの実力、65点以上はSGやGⅠの常連メンバーの実力程度と判断します。

参考までに、有名選手の能力指数はこんな感じになっています(集計期間:2020/11/01-2021/04/30)

峰竜太:73
松井繁:73
菊地孝平:68
平高奈菜:59
大山千広:55

ボートレースを楽しもう!

本記事では、ボートレースの基本ルールを紹介しました。レースの流れから着順の決まり方、日程、レーサーの強さを判断する方法まで理解しておくと、ボートレースの楽しみ方がグッと広がります。

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